the pillows “TOUR 08 LOSTMAN GO TO CITY”

2年前の「LOSTMAN GO TO CITY」、昨年の「LOSTMAN GO TO YESTERDAY」に引き続き、今回で3回目のロストマンツアー。
レア曲ツアーということで、今回のライブで聴いたらまたしばらく聴けない曲もあるだろうし、平日休みが取りやすいこともあり、赤坂だけでなく、大阪名古屋にも参加しました。
「for maniac fansと書かれてるのに・・・来ちゃったんだ。数あるバンドの中からピロウズを選んだだけでもマニアックなのに、シングルを1曲もやらないようなライブに、激戦のすえチケットを手にいれ、半笑いでここに居る、と。そんなキミたちは社会不適合なんじゃないかと心配です」と言ってらしたけど、遠征までした私はまったく反論できません(苦笑)。
でも、行って良かった!
大阪のMCで「最初は普段やらない曲を4割くらい混ぜようと思ってたんだが、練習してるうちにアレもやりたい、コレもやりたいと、8割、9割になってしまった」と言ってて、大半はライブで初めて聴く曲で、曲が始まるたびにイチイチ喜んだライブは久しぶりだよ!
練習はタイヘンだったようだけどね(笑)。
Peeちゃんと淳くんは「2週間くらいピロウズしか聴いてない」と言ってたし、さわおは「ここ最近こんなに練習したことはないぐらい練習したよなー。なのに、新宿のred clothというところでファンクラブ限定ライブをやったんだが、ひどいライブをしてしまった。ま、間違えたら、曲の最初からやり直すということを覚えたので(笑)」と言いつつも、やはりところどころ歌詞がトンでしまって「あんなに練習したのに、歌詞を間違えるしー」と悔しそうにしていた大阪のライブだったけど、赤坂ではほとんど歌詞を間違えずに歌ってたよ、良かった良かった(笑)。


「作った時はサラッとできて、のちのち隠れた名曲になることがある」と演奏された「Beehive」。
どこか懐かしくて心が温かくなるメロディは、CDで聴いていると思わず口ずさんでしまう曲。
ライブで聴きたいなと思い続けていたのが叶ったうえに、時が経った今、客出しSEとして流れ、Tシャツにもデザインされるとは・・・。
いつもはあまりツアーTを着ないさわおが、ラストの赤坂で「Beehive Tシャツ」を着ていたのが印象的でした。


そして、ライブ中盤の「昇らない太陽」「Nowhere」「Wake Up, Frenzy!」の流れ。
「昇らない太陽」ができた時のエピソードを話していたけど、売上もライブ動員も増えてきたところで、キングレコードの社長が変わってしまい、ガラリと経営方針が変わり「ピロウズなんかやってられん」とガクンと予算が減り、シングルは売れないからとアルバム“Smile”からは1枚もシングルを切ってもらえず、「バビロン 天使の詩」のPVのチープさは、サロンミュージックのPVで60年代風のコラージュで格好良いのがあって「こういう風にしてくれ」と言ったら、予算がなくてリアルチープになってしまった、と。
さらに、その頃さわおがほかのバンドのいらない悪口を言ってしまって、他人に非難されるのは覚悟していたからいいけど、味方だと思っていたファンに「インスタントミュージックはおかしいと思ってた」とネットで書かれていたのを目にしてしまい、傷ついたそうです。
「いくら良い曲を書いても、もうダメなのかな・・・」と思って、珍しくPeeちゃんとしんちゃんに「これからどういう曲を書いていけばいいか」相談したりして、結局「昇らない太陽」は暗い曲なんだけど「いい曲ができた!」と半透明のさわおは小躍りして、復活した、という長い前振りが。
名古屋で「泣いてもいいぞ〜♪」とさわおが言ってたけど(笑)、あやうく「Nowhere」で本当に泣くところだった・・・。
“nowhere 悲しみのない世界は 僕を相手にしないってわかってるけど 探してたんだよ”
というフレーズが、胸をジリジリと焦がすようだった。


今月の7日に40歳の誕生日を迎えたさわお
大阪名古屋で言っていた、いつもはまったく絵文字を使わない増子兄ぃから、ピンクの背景にロウソクが4本立ったケーキの真ん中で、ウサギちゃんが踊ってるデコメが送られてきた話も面白かったのですが(一言コメントが「こちら側へようこそ」だったとか・笑)、赤坂ではマネージャーに「誕生日おめでとうございます」とクリニークのシミ・くすみを取るクリームを貰ったそうで・・・「くすんでるの前提ですか!」と言ってらしたよ(笑)。
そして、久しぶりにさわお母・愛子ネタが!
さわお母の70歳の誕生日に、小樽の銭箱という小っさい村(村って・笑)の実家に山中家全員集まって祝ったそうなのですが、上のお兄さんの子供たちは吹奏楽をやっててホルンやトランペットでハッピーバースデーを・・・夜中の3時とかに(笑)。
真ん中のお兄さんは、父親のリクエストに答えて「流しか!」というくらい何でもギターを弾き、さわおは「さわおピロウズ歌ってよ」とさわお母に言われ「おお!もちろん」と「アナザーモーニング」を歌い、終わったら「もうワンフレーズ歌って」と言われ、なんでかと思ったら「踊りたいから」。
「アコギ一本でアナザーモーニングで、だよ!」、いやー、本当にステキなお母さんですね(笑)。
ここでアナモ二をやるのかな〜とちょっと思ったりもしたのですが、そのままPUFFYとV6のセルフカバーへ。
PUFFYの「サヨナラサマー」は女性ボーカルの曲なので、さわおが歌うとオクターブ下がったり上がったりしていたから、これはライブでしか聴けないだろうなー。


「リハでやったら結構うまくいったから」と名古屋で追加された「HEART IS THERE」。
「Skim heaven」が終わって、またやってくれるのかな・・・と、しんちゃんが右手のスティックを上に掲げ、イントロを叩き始めるのを、思わず拳をギュッと握りしめて見つめてしまったよ。
あの瞬間の、ドキドキ感といったら!
嬉しかったな、「HEART IS THERE」は踊れて楽しいです。


今回のツアーでは、アルバム“Please Mr.Lostman”からは「STALKER」「Moon is mine」「SUICIDE DIVING」を。
「SUICIDE DIVING」で、あらためてPeeちゃんのギターが好きだなーと思ったよ。
最近はコミカルなリフが多いけど、メロディの隣で流れるような美しいギターの曲もまた聴きたいな。


本編最後に「サリバンになりたい」「Ritalin 202」「モールタウン プリズナー」とたたみ掛けて、アンコールがインストの「Paper Triangle」、「久しぶりにやるラブソングを」と演奏された「ムーンマーガレット」、という選曲も絶妙。
幸せな気持ちにさせられたよ。


そして、最後の最後で、前に飛び出してしまった「No substance」。
前に行くつもりはなかったんですけどね・・・でも、間近で見上げたステージの熱量にはシビレたよ!


「毎年やっていくから。あ、来年は20周年だからないかも・・・」とさわお
再来年でもいいから、ぜひともまたやっていただきたいよ。
昨年の「LOSTMAN GO TO YESTERDAY」の時に、「こうしてみんなに知ってもらえて良かった。昔はこんなに理解者もいなくて、曲が可哀想だったから」とさわおは言っていたけど、こっちだって当時聴くことが出来なかった曲を、こうして聴けるのはとても嬉しいんだから。