4/4 The ピーズ、フラワーカンパニーズ@大阪バナナホール

この日バナナホールでライブを見たことは本当に良かったなぁと思う。フラワーカンパニーズはいつも通り、全力だった。ピーズはいつも通り、情けなくて切なくて格好良かった。心から楽しめた、記憶に残るライブになりました。
雨。
さて、そろそろ・・・と思った頃、窓の外からバラバラッという音がして、もしやと思って外を覗いたら、屋根の上に大きな雨粒のあと。あー・・・。雨男の前さんのパワーですか。つか、フラカンもピーズも雨バンドだから、しょうがないのか。そして、会場前で友人と合流。もう開場という頃にはどしゃ降りですよ。ひぇー!こないだのチッタもこんな感じだったなぁ。あとで、はるくんがMCで、また「野音大丈夫かなぁ」って雨の心配をしてて、アビさんが「降らないよ」って言いきかせるように言っていた。しんちゃんは翌日、ピロウズのツアーで鳥取に行くので「これで明日、どこで雨が降るかによって、雨男が分かる」とはるくんは言っていたけど、5日は本州は全国的に天気が悪かったみたいですよ(笑)。まぁ、今のうちに雨には降っておいてもらって、5月の野音は晴れると信じるしかないでしょ。

フラワーカンパニーズ

オープニングアクトのDOESが4曲ほど演奏して、まずはフラカン。お久しぶりです。前回見たのは、昨年の6月にQueの昼間、ヨコヨコ、フラカン、ピーズの対バン以来。約1年振りですよ!そんなに見てなかったとは、自分でも驚きです。だから、今回の対バンは本当に楽しみにしていて、フラカンが始まるまでずっと「フラカン楽しみ!」と言い続けてましたよ。いや、ピーズももちろん楽しみでしたよ。というか、もうピーズが楽しみなのは大前提ですから。じゃなきゃ、こんなに毎回毎回バカみたいにライブに行かないよー。
SEが鳴った途端に押されて、ちょっと戸惑う。なんか今まで偶然にも、結構余裕で踊れる環境でフラカンのライブを見ることが多かったから、こんなに押されるとは思わず。1曲目の「アイム・オールライト」に続いて、「白眼充血絶叫楽団」「NUDE CORE ROCK'N'ROLL」、もうこの2曲でテンション上がりすぎて、いきなり酸欠状態に。トバしすぎだ、自分。前さんは、「白眼」の気合いの絶叫でクチの端が切れたー、と。圭介は樽に乗っかって歌いまくっていたので、容赦なく手を伸ばしてみる(笑)。楽器弾いてる人だと、弾いてるのを邪魔したら悪いなーと思ってしまって、遠慮してしまうのでね。手を伸ばしても触ることはあんまり無いのです。でも圭介だからいいかと思って(いいかって・笑)。
バナナホールは、ステージ前に樽が並べられていたのですが、最近は樽ではなくて柵だったらしく、今日は樽にしますか、柵にしますか、と聞かれて「そう言われたら樽でしょー!」と眼を見開いて言う圭介。実は、バナナホールには10年以上前に来たことがあって、当然その頃は樽が並べられていたので、中に入って、そうそうこんなんだった!と思い出して、少し懐かしんでいたのだけど、そうかー柵に変わっていたのか。樽で良かった。その樽と樽の隙間に挟まると、前を向きたくても横向きになって、グレートしか見えないだとか、樽からビヨーンって飛び出してこようか、とか。黒ヒゲかよ!(笑)。あと、「今日の主役はフラカンでもピーズでもお客さんでもない、バナナホールが主役」とうまいこと言ってましたよ、圭介。
新曲は3曲、「パンクはうまく踊れない」と、ライブ会場で販売しているシングル「はじまりのシーン」「はぐれ者讃歌」。「パンク」は結構ノリの良いかんじだけども、シングル曲のほうは2曲ともミディアムテンポ。タイトル曲の「はじまりのシーン」は、「発熱の男」っぽいなーと思ったんですけど、それは圭介がギターを弾きながら歌ってるっていうのが同じだから、そう感じただけかね。アルバムが夏前あたりに出るそうなのですが、次のアルバムってどんな感じなんだろう。この3曲を聴いただけでは、まだ予測出来ないなぁ。
そして新曲たちを演ったところで、だいぶ落ち着けて、助かりましたよ(笑)。バナナホールでライブを演るのは最後だと思っていたら、そうじゃなくなるかもしれないからあんまり最後って言わないで下さい、と言われたらしく、「そう言われても準備してたのに。心の準備だよ、なにか特別このためにとかじゃなくて」と言いつつも、演りましたよ「くるったバナナ」! やっぱりこの曲はバナナホールで演らなきゃ! わー!と喜んでいたら、気付けば前さんの手にはバナナが(リボン付き)。そのバナナを喰いちぎる前さん。ベース弾いてるから両手使えないとはいえ・・・そして皮を剥いたバナナを掲げる。似合いすぎだよ、前さん(笑)。バナナ!バナナ!
終盤はもちろん「真冬の盆踊り」、しかも男女別、年代別、さらには血液型別に「ヨサホイヨサホイ」のコールアンドレスポンス。長ぇ(笑)。年代別の40代はさすがに客席から声が上がらず、「40代は楽屋におる」と前さん。ピーズチームですか(笑)。圭介が上の楽屋のほうにマイクを向けると、ヤケクソ気味な「ヨサホイヨサホイ」の声が。本当にピーズさんたちが言ってたみたいですよ(笑)。翌日のfm osakaで圭介が言ってました。あと、血液型別でAB型のにーさんがイカシてましたよ。圭介とそのにーさん、マンツーマンで「ヨサホイ」して、「やっぱりAB型は変態」て。ヒドイ(笑)。
ラストの「YES,FUTURE」ではギターソロで竹安が樽に。竹安が乗るとは思わなかったので、おー!と思ってたら、その時にシールドが緩んだらしく、戻る時に音が出なくなり、焦る竹安。この日はコーラスもサボらずにやってて、竹安気合い入ってんなー、と思ったのに。ちょっと台無し(笑)。でも、なんとか曲が終わる前に音が出たので良かった。
そんなかんじで、1年振りに見たフラカンは相変わらず前のめりで、時にはツンのめったりもするのだけど、でもやっぱりいいなぁと。もうちょい見たかったな。選曲もライブの定番曲が多かったから、もっとほかの曲も聴きたかったしね。つか、今度はそんなに間隔を空けずにライブに行きたいと思います。
最後に思いっきり力をこめて、ダブルピースを向けてきました。
〝YES,FUTURE!〟

The ピーズ

先に言ってしまうと、この日のピーズはすごく良かった! 自分はピーズ好きだから、どうしても甘くなってしまうんですけど、そういう贔屓目を差し引いても良いライブだったと思います。
フラカンが終わって、運良く樽前に! やったー、空気が吸える(笑)。樽に乗ってギターを弾くアビさんが目の前で見られて嬉しかったー。アビさん、しんちゃん、それぞれセッティングを手早く済ませ、SEが鳴り登場。タオルを振り回しながら位置につくアビさん。わー、アビさんテンション高い!と思わず言ってしまったよ。MCの時に前の晩にあまり寝れなくて「朝の5時から飲んでたぜ」とアビさん。「昔は朝の5時まで飲んでたけどよ」すっかり朝型ですか、年寄りみた・・・いやいやいやそんなことは(笑)。
しんちゃんの小気味良いドラムから、1曲目は「とどめをハデにくれ」 イントロからいきなり「チキタキチキタキ」「ホイホイホーイ」のコールアンドレスポンス。「フラワーカンパニーズからずっとホイホイ言いやがって」そのあとも何度か曲中にチキタキコール。「今日1日で10年分くらいのホイホイを言ってんじゃねーか」とはるくん(笑)。最初に出てきた時から哀愁感たっぷりなかんじのはるくんは、バナナホールが無くなってしまうと「僕の地図から大阪が無くなってしまうようで寂しい」「次から大阪でどこで演ったらいいのか」、「ガンジャしか思い浮かばない、ファンダンゴ?」と。それをフォローするようにアビさんが「もう大阪のライブは決まってるぜ・・・餃子の王将特設ステージとかバナナホールの車庫とか」でもさ、本当に次からどうするよ。ビッグ・キャットはなぁ・・・一昨年の年末ワンマンの時に行ったけども、アビさんアンプから音が出なくなった事件。あの印象が強くて、ビッグ・キャットは不吉なイメージが(笑)。それに、だだっ広くて無機質なかんじがなんか〝入れ物〟っぽいんだよなぁ。セカンドラインとかファンダンゴじゃ狭すぎるだろうし、クアトロ?うーん・・・。シャングリラとかあらたに出来たみたいだけど、どうなんだろうか。しばらくは京都の磔磔にお世話になりますか。
早々にTシャツを脱いだはるくんだったのですが、途中で「なんかあがってきた・・・」と胸のあたりをさすりながら、ステージ袖のほうへ。いったん戻ったものの、また袖へ。シュンペイ氏に差し出されたゴミ箱を床に置いて・・・本当にゲロ吐いてる・・・。アビさん側からは丸見えで「指まで突っ込んで吐くなよ」とアビさんの実況付き(苦笑)。「高山病」だとか「ヨサホイヨサホイとかくだらないことで酸素使いやがって、フラワーカンパニーズおそるべし」とはるくん。たぶん高まりすぎて、酸欠を引き起こしたんじゃないのかね。でもバナナホール、結構な広さだし天井が高いのに、暑かったなぁ。もうホール内の全体のテンションがあがりすぎて、空間に収まりきれないかんじだった。そしてアビさん「ついでに言っていいか、はる、前髪(笑)」見事にぐちゃぐちゃですよ。前髪警報、出まくり(笑)。
そんなあとに始まったのが「日が暮れても彼女と歩いてた」 よりによってラブソングかよ! でもこれが素晴らしかった。はるくん大丈夫なんかな・・・と思ったけども。〝あー どこの誰が 本当に幸せなんだろうか〟からの下りは、かなり声量が要ると思うのに、完璧に歌いこなしていた。まいった。ゲロ吐こうが、前髪ぐちゃぐちゃだろうが、ほんと格好良かったよ、はるくん。というか、ピーズの格好良さってこういうことなんだと思う。もう見ているこっちが、もっと格好つけろよって言いたくなるくらいの。人間味に溢れている。そして、どんなに轟音の中でも切なさに包まれていても、どこか温かい。「おつかれさんだよー」と言って始まった「鉄道6号」 〝リハビリ中断〟に入ってるこの曲は、きっとはるくんがバンドを辞めるか辞めないかという時に創られたんだろう。〝やっとこんないいところまで辿り着いてしまった〟と、終わりを感じつつも最後には〝まだ走るよ 生き延びるんよ〟という。無くなるか無くならないか窮地に立っているバナナホールに、こんなにそっくりハマるとは。「東の窓」も「サイナラ」も「ノロマ」も「生きのばし」も、バナナホールに向けての選曲だって分かるけど、この日この曲を選んだはるくんには本当にハッとさせられた。
終盤で「チキタキチキタキ」と噛みしめるように言っていたり、「この景色を焼き付けました」というはるくんの言葉。最後に客席に足を踏み入れて、後ろ向きに倒れこんだ時のアビさんの本当に気持ち良さそうな顔。この場所で見れるのは最後かもしれない。そういう思いでライブにきたけども、やはりそれまでの思い入れがない分、どこか終わるということにピンとこなかった。フラカンの圭介が自分たちにやれるのは「とにかく今日のライブを最高にすること」ということを言っていて、自分も最高に楽しむことが出来た。でも、またここでライブを見たいと思っても、見れるかどうか分からないんだなぁ・・・。終わるとはそういうことだ。深々と頭を下げて、出し切った後ろ姿を見送って、バナナホールのライブは幕を閉じました。